ごみ屋敷の住人は変わり者?
ごみ屋敷という言葉をメディアで目にするようになって、日本全国で多くの方々が迷惑を被っている状況が知られるようになりました。
百聞は一見にしかずといいますが、目を疑うほどゴミが天井に届きそうなくらいに積っています。
見ただけではどうしてこんなになるまで放置していたのか、ここの住人はどんなに世間からズレた人なのかとさまざまな疑問が湧いてきます。
しかし、よく話を聞いてみると多少でも理解できるところがあるケースも少なくありません。
人づきあいがごみ屋敷を防ぐ
ごみ屋敷の主人に多いのは、高齢でパートナーに先立たれた方、別居中、独身の方などです。
昔の日本はご近所づきあいをするのが当たり前でしたが、近年は人づきあいのわずらわしさから解放されて気楽な一方で、助け合いに必要な交流も希薄になりつつあります。
本人はゴミだと認識していなかったり、ゴミだとわかっていても自宅の敷地内のことなので、悪臭などで他人に迷惑がかかっているなんて予想もしていないという場合もあります。
「物」に対して、人一倍愛着心が湧きやすい性格の人もいます。
一度自分が所有した物に対しては自分の一部分になったように大切に感じているため、捨てるなんて考えられずに物が溜まる一方になっていくとのです。
人には創造力があり、そのために数々の文化や芸術作品が生まれているのですが、もう利用価値が全くない物にまで自分を反映させてしまうのは考えものです。
あなたも他人ごとではない?
日本では少し前に、断捨離という言葉が流行りました。
ブームになって関連書籍などが多く発売されたり、メディアで特集を組まれることがあったのは、物を捨てられずに溜め込む人がいかに多いかを表しています。
日本には「もったいない」という考え方があったり、物を大切に使う習慣が根付いているので個人を責めることはできません。
断捨離の本などを買う人の口からよく聞かれるのは、「捨てずに取っておけばいつか役に立つかもしれない」という言葉です。
絶対ではないけれど、もしかしたら使う日が来るかもしれない物を処分せずに溜めていったら、たとえ大きな家に住んでいても山のように積もってしまう日が来ます。
ごみ屋敷の住人が物を捨てない理由を聞いてみたら、普段自分が口にしている言葉に近いということがもしかしたらあるかもしれません。
家の中にゴミを山積させていると、火災の原因になったり、虫や菌、ニオイの元になることもあります。火災になれば、命を落とすことも考えられます。
物なんてその気になればいつでも捨てられると軽く考えていると、処分が有料でお金が払えないということもありますので、できることはできるうちにしておきましょう。