本人は自覚がないことも
ごみ屋敷は、実際にどんなトラブルが起きているでしょう。
テレビなどで取り上げられるごみ屋敷というと一軒家のケースが多いですが、集合住宅のケースもあります。
例えば、各部屋にベランダがついているタイプのマンションにて、隣の部屋のベランダにゴミが山積みになっていて、ニオイが流れ込んできたり、虫が発生するなどというトラブルがありました。
そういった方は、仕事や勉強で忙しいためにゴミの収集日にゴミを出すことができず、室内に置くところがなくなってベランダに溜め込んでしまったなどの事情があるようです。
ベランダはその部屋の住人しか立ち入ることができない空間であっても、共用部分に該当します。
隣のベランダとの仕切り板に、災害発生時にはここを蹴破って避難してくださいなどと表示されていることも多いでしょう。
その避難経路をふさぐような荷物を置いておくことはいけませんので、山積みになったゴミもよくないことになります。
ご本人は、ベランダは自分の敷地内だという認識でゴミを置き、近隣に迷惑になっていることすら案外気が付いていないケースもあります。
怒りながらクレームを言うという形ではなく、あくまでも困っているのだということを伝えるだけで、スムーズに解決することも多いようです。
ゴミに引火して火災に
現在では火災報知機の設置が義務付けられていますので、火事の被害が以前に比べて発生しにくくなりました。
しかし、火の手があがってから対処するより、火の元になるような原因は作らないようにすることが大切です。
ごみ屋敷は一般的な住宅に比べて燃えやすいものがたくさんありますので、被害が早く広がりやすい状況といえます。
実際に過去にあった事例で、ごみ屋敷でろうそくを灯していたところ、室内のゴミに火が移ってしまい火災が発生したことがありました。
火災になる以前からご近所の方々が自治体に相談していたのですが、ご本人は財産であってゴミではないとの一点張りなので、対策に入っていたということでした。
害虫が発生したりニオイがあるため、周辺に住む方たちは困っていたということです。
その火災によって、ごみ屋敷の主人は命を失ってしまいました。
もっと早くなんらかの解決策があれば、命を落とす事態には至らなかったでしょう。
処罰がある地域も
行政が介入しようとしても、当人がゴミではなく財産だと主張すれば、強制的に処理することはできません。
しかし、ごみ屋敷対策条例が設けられている地域の場合は、処罰の対象になることも考えられます。
現在ごみ屋敷に住んでいるという方は、ご自身がお住まいのエリアで施行されているかもしれません。
財産だといえばいいと安易に考えて、ゴミを溜め込まないようにしましょう。